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超々ジュラルミンの欠点を理解して失敗を防ぐ:航空機・精密機械部品で迷う人向け

超々ジュラルミンは高強度アルミ合金で、航空機や精密機械の高応力部品に最適です。しかし、その高強度ゆえに加工性や耐食性、コスト面などの欠点も存在します。本記事では、超々ジュラルミンの特性と欠点を具体的数値や注意点とともにまとめ、設計・加工時のリスク回避に役立つ情報を提供します。

意味・定義

超々ジュラルミンは、ジュラルミンをベースに銅、マグネシウム、マンガンを添加して強度を高めたアルミ合金です。引張強度は500〜600MPa、密度は約2.8g/cm³で、軽量性と高強度を両立しています。航空機の翼梁や精密機械の高応力部品に利用されます。

ジュラルミンとの比較は以下の通りです。

材料 引張強度 (MPa) 硬度 (HB) 主な用途
ジュラルミン (2024系) 400〜500 120〜150 航空機構造材、機械部品
超々ジュラルミン (7075系) 500〜600 150〜190 航空機高応力部品、精密機械部品

化学成分の違いにより、超々ジュラルミンは加工硬化や熱処理の影響を強く受けます。詳細な成分や特性については、ジュラルミンに関して解説で詳しく解説しています。

基準・考え方

超々ジュラルミンの採用基準は、荷重条件・使用環境・加工条件・コストの4点で判断します。

  • 航空機の高応力部品や精密機械の軽量化を重視する場合は超々ジュラルミンを優先
  • 低応力や加工容易性を優先する場合はジュラルミンや標準アルミを検討
  • 耐食環境が厳しい場合は表面処理や耐食コーティングを組み合わせる

荷重や環境別の目安は以下の通りです。

用途 推奨材料 理由
航空機翼梁 超々ジュラルミン 高応力に耐える強度が必要
一般産業用構造部品 ジュラルミン 十分な強度と加工性を確保
海洋環境で使用する部品 ジュラルミン+耐食処理 耐食性確保のため表面処理が必要

注意点

超々ジュラルミンの欠点として、以下の点に注意が必要です。

  1. 加工性の低下:硬度が高く、切削加工や穴あけで工具摩耗・破損リスクが高い。適切な切削速度・刃物材質の選定が必須。
  2. 耐食性の制約:銅含有量が多く、腐食に弱い。表面処理や塗装で耐食性を補う必要があります。
  3. 熱処理の管理が必要:人工時効の条件を誤ると強度が大幅に低下。温度や時間を精密に管理する必要があります。
  4. コスト増加:高強度材料のため原材料費、加工費ともにジュラルミンより高額。
  5. 疲労特性の注意:高応力に耐える一方で、局所的な応力集中部では疲労破壊のリスクがある。

加工や熱処理の具体的な注意点については、アルミ加工の注意点に関して解説で詳しく解説しています。

よくある誤解

  • 「超々ジュラルミンは万能」 → 高強度ですが加工性・耐食性・コストなどの制約があり、すべての用途に最適ではありません。
  • 「軽量=弱い」 → 超々ジュラルミンは軽量ながら高強度で、航空機や精密機械でも十分な性能を発揮します。
  • 「通常のアルミ加工条件で問題ない」 → 高硬度のため加工条件や刃物材質の調整が必要です。
  • 「耐食処理不要」 → 高銅含有で腐食しやすいため、表面処理や塗装は必須です。

よくある質問

超々ジュラルミンとジュラルミンの違いは何ですか?
超々ジュラルミンはジュラルミンを改良し、銅やマグネシウム、マンガンを添加して強度を高めたアルミ合金です。引張強度は500〜600MPaで、ジュラルミンより20〜30%高く、航空機の高応力部品や精密機械で使用されます。加工性はやや低下します。
超々ジュラルミンの加工時に注意すべき点は何ですか?
硬度が高いため切削加工や穴あけで工具摩耗や破損リスクがあります。切削速度や刃物材質を適切に選定する必要があります。また、人工時効など熱処理条件を誤ると強度が低下するため、温度・時間を正確に管理することが重要です。
耐食性はどうですか?
銅含有量が高いため腐食に弱く、表面処理や塗装が必須です。海洋環境や湿度の高い環境で使用する場合は、耐食コーティングを組み合わせることで長期使用に耐えられます。
超々ジュラルミンを選ぶ基準は何ですか?
高応力部品や軽量化が必要な精密機械部品では優先して選択します。一方、低応力用途や加工容易性を重視する場合はジュラルミンや標準アルミが適しています。耐食性やコストも考慮して材料選定を行うことが重要です。